【参加者募集 限定17名】視察先紹介〜世界最大の林業展 KWF-Tagung前編〜


現在、参加者を募集している6月9日〜15日の「世界最大の林業展inドイツ&オーストリアの最新林業視察研修」の視察先を紹介するシリーズ第2弾です。

世界最大と言うけどどれぐらい大きくて一体どんなものを展示しているのだろう、日本の林業機械展とは一体どこが違うのだろうと疑問に思われている方もいらっしゃると思います。

一言でいうと日本の林業機械展はその名の通りで機械に特化した展示会であり、KWF-Tagungは学術的な紹介、最新の林業機械、最新の林業技術、林業の道具、人材育成の情報まで林業にかかわるありとあらゆることが紹介されています。

第17回の今年はメイン会場とデモ会場2か所で行われます。えっ、3か所に分かれていたら不便なのではないかと思われると思いますが、場内を循環するバスが運行しているのでご安心ください。各ブースもテーマごとに分かれていて、ドイツらしく整然と構成されているように思います。開催期間が一番日の長い時期ですので、デモ会場では9:00〜18:00まで各ブースで約30分〜60分の実演が断続的に実施され説明が行われます。

KWF-Tagung2016会場図

第17回KWF-Tagung会場図

 

さて、それではデモ会場ではどんなセッションがあるのでしょうか?

やはり日本人にとって一番の関心事は成熟した林分の収穫方法ではないでしょうか?

特に急斜面における収穫の最新技術、機械が気になるところです。

 

❇❇セッション : 斜面における収穫システム❇❇

急傾斜地における牽引ケーブルを使って機械化された収穫システム

日本が建設用機械のベースマシーンにハーベスタやグラップルのアタッチメントを付けているのに対して、ヨーロッパでは足回りやキャビンの地面に対する角度が変わる林業用ベースマシーンが開発されてきました。その開発が進み、現在ではウィンチの補助があれば30度前後の傾斜地まで走行できるベースマシーンが販売されています。ウィンチはベースマシーンの安定性を補助するだけではなく、ベースマシーンの地面への圧力の軽減にも役立っています。高校の物理で習った「力の分解」の理論です。ハーベスタで伐倒した場合、チェーンソーで伐倒する場合と違ってほとんど事故が起きないことがウィーン土壌大学森林・土壌学部長カール・スタンファー教授の調査結果でも出ています。日本でも伐倒時の事故は毎年多数発生しています。事故を減らす世界の取組を見て、日本でも事故軽減のために進めてもらいたいと思います。

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急傾斜地における簡易な架線集材システムを使った小規模民間林における収穫システム

日本だけが所有区画が細かく分かれているわけではありません。ドイツやオーストリアでも日本のように自らの森林を本人や家族を中心とした少人数で管理、経営している人たちは存在します。その人たちはタワーヤーダや集材機の大型機械による収穫は採算が合わず現実的ではありません。そういう人たちはトラクターやトラックを動力源とした日本円で30万〜150万ぐらいで買える簡易な架線集材機を使って集材を行っています。

3.4.2簡易な架線集材システムを使った小規模所有者林での収穫

 

❇❇セッション : 軟弱土壌における集材システム❇❇

ゲリラ豪雨、長雨、雪解けなど地盤が緩み機械が思うように走行出来ないことがあると思います。日本より雨量の少ないヨーロッパではそんなことはないだろうと思われているかもしれませんが、最近では温暖化が原因と思われる集中豪雨や雪解けで地盤が緩み機械の走行が困難な場合もあり、軟弱な地盤を走行するためのタイヤの開発やフォワーダをしようしないでも集材できる集材システムが考えられています。

湿地帯向けに改良したタイヤを使用したフォワーダ

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3.3.3湿地用に改良したタイヤを使ったフォワーダ

 

様々なケーブルによる全木集材システム

3.3.4トラクター牽引ケーブル集材

3,3.4造材した原木の輸送

短幹集材システム

3.3.5短幹集材

❇❇セッション : 様々な林分の機械化された伐倒システム❇❇

硬い大径木(40-60㎝)、長尺針葉樹の伐倒システム

林分構成に偏りのある日本ですが、第2次大戦後の復興期に伐採され、その後植えられた林分は既に60年ほどが経過し今後ますます大径化するだけでなく樹高も高くなってきます。法正林化しているドイツやオーストリアの森林では植栽後100年が経過している林分も多くあり、そのような大径木の伐倒や長尺木の伐倒の機械化が進められています。

3.2.1半機械化された硬い大径木の伐倒3.1.2長い木の収穫

 

 

複層林における機械化された収穫

複層林の下層木を傷つけずに伐倒するための機械化が進められています。

3.2.3複層林における機械化された収穫 3.2.3複層林における機械化された収穫2

 

 

UXO不発弾汚染地域の機械化された伐木

このテーマについてはびっくりされた方も多いかと思います。ヨーロッパは長い歴史の中で何度も戦場となってきました。ドイツのブランデンブルグ州は不発弾が最も多く残っており林業が出来ない地域でしたが、不発弾の処理を行うことによって州有林での収穫が可能となり売上が上げられるまでになりました。

3.1.1不発弾汚染地域における機械化された収穫システム3.1 機械化された収穫3.1 機械化された収穫2

 

小規模民間所有者林における伐倒

小規模民間所有者林でも機械による伐倒の取組はされています。

3.1.3小規模所有者の収穫

 

【参加者募集 限定17名】視察先紹介〜世界最大の林業展KWF-Tagung後編〜に続く

 

現在山陽商事株式会社ではこの世界最大の林業展KWF-Tagungを視察する「世界最大の林業展inドイツ&オーストリア最新林業」視察研修の参加者を募集しています。詳しくは下記のURLをご覧いただくか、弊社フォレスト・デザイン事業部までお問合せ下さい。

http://sanyo-trade.com/news/tourkwfandaustria-3/1787/

(案内&申込書)

http://sanyo-trade.com/files/tourkwfandaustria.pdf

℡ 0868-26-1036(平日8:10-17:00)

tsuyama-maerin.sanyo@nifty.com