林業用繊維ロープの販売について


弊社フォレスト・デザイン事業部の前身である前田林業株式会社が超高強力ポリエチレン繊維ザイル(繊維ロープ)を集材現場に取り入れてから約7年が経ちました。

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繊維ロープの存在を知ったのは8年前の2007年のオーストリア林業機械展Austrofomaでした。何気なくかけてあった青いロープがそれでした。果たして林業の現場で本当に使えるのか?でも、もし使えるのであればワイヤーの重さの6分の1であれば労働負荷が軽減出来るかもしれない。。。そんな思いで取り組みを始めました。

繊維ロープと昨今は言われていますが、正式には超高分子量ポリエステルを繊維化したものでオランダのDMS社と日本の東洋紡が開発したダイニーマという製品です。日本では阪神淡路大震災の際に壊滅的な被害を被った神戸港の再興に大きな役割を果たしました。それまで大きな船を曳くタグボートはワイヤーを使用していましたが、軽くて取り扱いが容易なダイニーマ製ロープを使用することで作業員の人数を減らすことに成功し、それによって使用料の引き下げが可能となり神戸の港に再び船を呼び戻すことが出来ました。この他にレスキュー隊やテニスのネット、釣り糸など今日では様々な場面で使われています。

 

弊社では現在ウィンチ集材を行う場合はほとんど東京製綱ロープ㈱製の林業用エースラインを使用しています。

チラシ

先端の引き摺る部分の摩耗が激しいため、70m購入し摩耗した部分は切り捨てながら使用しています。弊社最高齢75歳のフォレストワーカーでも、今春高校を卒業した一年生フォレストワーカーでも繊維ロープなら急傾斜地でも引っ張って上ることが可能です。平成20年度に京都大学と協力して行った引き出し試験の結果でも繊維ロープは何も持たない場合と心拍数がほぼ変わらず労働負荷がワイヤーより少ないことが立証されています。

繊維ロープのメリット

① 軽い

② 屈曲性に優れているため扱いやすい

③ ワイヤーより乱巻きのトラブルが少なく、乱巻きした場合の処理の時間が短い

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繊維ロープのデメリット

① 摩耗に弱く、搬器や地面との接触で毛羽立ちが発生する

② 鋭利な金属部分と接触すると特に摩耗が激しいため、金属部分をコーティングするなどの加工が必要

③ 値段が高い

④ 交換基準の策定が必要。ワイヤーのように一割断線の交換基準がまだないのでメーカーと協力して交換基準を策定する必要がある

 

平成20年度に京都大学と行った調査結果は下記をご覧下さい。

【平成20年度林業生産流通革新的取組支援事業成果要約集より「超高強力ポリエチレン繊維ロープとチョーカーワイヤーを使用したウィンチ集材」前田林業株式会社(現山陽商事株式会社フォレスト・デザイン事業部)】

http://sanyo-trade.com/files/H20reportrope.PDF

 

 

まだまだ発展途上の繊維ロープではありますが、もし現場で使ってみたいという方は弊社までお問い合わせ下さい。

フォレスト・デザイン事業部問い合わせ先

電話 0868-26-1036

e-mail  tsuyama-sanyo.maerin@nifty.com