たこ焼き


ギラギラした真夏の太陽が照り付ける昼下がり。

エネルギー事業部のトラックが一台事務所に帰ってきました。

最近腰を痛めてちょっと体調が心配な販売員です。

「おかえり〜」

「たこ焼き食べますか?」

唐突な質問だったので聞き間違えたのかと思わず「えっ?」

「友達がたこ焼き屋を始めたんで行ってきたんです。」

受け取ったビニール袋には3艘のたこ焼きが入っていました。

ちゃーんと私と事務員2人分、ホカホカのたこ焼きです。

「わーい(*´▽`*)、いいの?」と両手を上げて大喜びの私。

「たこ焼き、おいしいなぁ。」と満面の笑みの事務員さん。

そんな私たちを見てちょっとはにかんだように照れくさそうに笑う彼。

いつもヒョーヒョーとして無口な彼はあまり感情を顔に出すことがありません。

そんな彼のはにかんだ笑顔を見るとなぜかホッと安心します。

十人十色。社員も十色。個性の集まりです。

時には。。。もっとかな。。。私の頭を悩ませます。

彼はなんとなく気まぐれに買って来てくれたのかもしれません。

でも、私にはその時ほんの少しでも事務所にいる私たちのことを彼が思い浮かべてくれたことが嬉しいのです。

さあ、バレエの練習でお腹を空かせて帰ってくる娘を待って一緒に食べましょう。

たこ焼きが大好きな娘は私の疲れた心を癒す満面の笑顔を見せてくれることでしょう。

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