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2015年4月21日 オーストリア・ヨーロッパ関連
【残り2席】視察先紹介~コンテナ苗生産会社Lieco社~
現在、弊社で募集している「Austrofoma&オーストリア林業研修」の視察先について、順番にご紹介させていただいておりますが、今回は最近日本でも話題となっているコンテナ苗の生産しているLieco社です。
この視察先を選んだのには弊社のコンテナ苗への一つの強い思い入れがあります。それはまだ、日本ではそれほどコンテナ苗の存在が知られていなかった2001年。スウェーデンでやはり4年に1度開催される林業機械展Elmia Wood(次回は2017年開催予定)に視察に行った際、スウェーデン南部森林組合ソドラの取り組みも同時に視察しました。その時に「記念植樹」として体験させてもらったのが、ディブルという器具を使ってのコンテナ苗の植栽でした。日本と違って大きな穴を掘るのではなく、直径10cmぐらいの穴を開けて、そこにストンと苗を植えるだけという作業の簡単さに衝撃を受けました。いつか日本でもこんな風に植栽することが出来るようになったらと植栽費用を大きく軽減できるのではないかと思いました。
そんな思いを実現する機会に恵まれたのです。平成18年から始まった林野庁の新生産システム事業で岡山県がモデル地域の1つに選ばれました。そこで、フォレスト・デザイン事業の前進であった前田林業株式会社は森林整備革新的取組支援事業で「コンテナ苗」の育成にチャレンジすることにしました。しかし、当時は造林の研究者がほとんどなく、やっと巡り会えたのが森林総合研究所の遠藤先生でした。遠藤先生は東南アジアでの植栽のためのコンテナ苗の育成の研究をされており、スギやヒノキの研究はされていませんでしたが、研究室に押しかけて指導をお願いしました。
調査を京都大学にお願いし、地元の育苗業者さんにも協力してもらってスギとヒノキのコンテナ苗育成が始まりました。スギとヒノキは発芽率がかなり悪く、苗床で発芽したものをコンテナ苗に移植。夏の暑さと移植のタイミングが良くなかったのか、残念ながら苗の育成状況はいいとは言えませんでした。
それでもいく本かの苗は育ち、プランティングチューブを使って山に植栽することが出来ました。
日本は植栽と下刈りで保育費用の約半分が費やされます。この費用を削減することが1つの大きなテーマです。植栽はプランティングチューブを使ったコンテナ苗の植栽で効率を上げることでコスト削減を期待し、下刈りについては下草の育成の抑制効果を期待して木質系のボード会社に協力してもらい植栽した苗の周りに木質系ボードを敷いてみました。
結果は、植栽効率はやはり従来の大穴を開けて植栽する方法の3倍近くになり、労働負荷も軽減されました。しかしながら、やはり苗に問題があったのか、期待したほど従来の裸苗と植栽後の成長スピードに差は見られず、ボードもサイズが小さかったためボードの周りの下草で苗が覆われてしまいました。そして何よりもネットを張ってもシカやイノシシの侵入が絶えず、ウサギやネズミの食害に遭い、残念ながら成長した苗を見ることをできませんでした。
前置きが長くなってしまいました。Lieco社についてです。Lieco社は1985年にリヒテンシュタイン公国の皇太子の基金によって創設されました。年間約700万苗を出荷しており、オーストリア市場の約21%のシェアを占めています。約30種類の針葉樹や広葉樹の苗をポリエチレンのコンテナで受注生産しています。受注から約2-3年後に苗は提供されるとしています。
コンテナ苗の利点は、
① 植栽時季が春だけに集中しない
② 芽や枝が出る前に秋や春に根が成長する
③ 苗床で根が守られる
④ 生長が早い
⑤ 植栽コストの低減
日本より20年~30年近く早くコンテナ苗の生産に着手し、ビジネスとして成功しているLieco社。今後の日本のコンテナ苗の生産拡大に向けて一つでも多くのことが学べたらと考えています。
Austrofoma&オーストリア林業研修のご案内
期間:平成27年10月5日~11日
費用:318,000円
含まれる費用:宿泊費・食費(10/6と10/7の昼食は含まず)・通訳料・現地移動費・入場料(2日分)・視察先に関わる費用
注意:ウィーン空港集合・解散
問合せ先:フォレスト・デザイン事業部 0868-26-1036
詳しくは下記をご覧下さい。
http://sanyo-trade.com/files/austrofomainfo.pdf