【増席決定】視察先紹介~ブルック森林技術専門学校~


Austrofoma&オーストリア林業視察研修は4月末をもちまして満席となりましたが、この度3席増席いたしました。Austrofoma会場近くのホテルは既に大変混みあっております。これ以上の増席は不可能でございます。参加をご検討されていらっしゃる方はお早めにご連絡下さい。Austrofoma&オーストリア林業研修のご案内

http://sanyo-trade.com/files/austrofomainfo.pdf

 

さて、視察先紹介の第3弾はブルック森林技術専門学校です。

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オーストリアは国土のほぼ47%が森林です。オーストリアだけでなく世界においても森林のエコシステムは重要なビジネスであり、原材料の持続的な生産、生物学上の種の保全、人の住んでいる地域の保護、水資源の保全、レクリエーションなど社会的な役割も担っています。

そのような森林の多様な機能を実現するためには、総合的に自然の管理を継続的に出来る資格のあるプロが必要です。オーストリアでは、そのようなプロの人材を育成するために、森林の現場で働く人材を育成する森林技術専門学校や森林研修所、森林や土壌に関するより高度で専門的な研究や調査を行う大学があり、それぞれの教育の目的に従いカリキュラムが組まれています。

 

その中の一つが今回視察を予定しているブルック森林技術専門学校です。その歴史は1900年10月10日に「オーストリアのアルペンカントリーの為の林業技術アカデミー」として始まりました。その多様な歴史を通して、ブルック森林技術専門学校はオーストリアの森林の健全性に様々な貢献をしてきました。そして、1974年には現在の職業訓練のための学校の形が出来上がりました。14歳で義務教育を修了すると、以下の5本の柱を5年間で学ぶことが可能です。

①語学やコミュニケーションスキルなどの一般教養

②森林の生態系、土壌、気候、動植物相などの生態学

③森林技術

④森林に関わる経済や法律

⑤実地研修

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卒業検定に合格すると認定証が交付され、総合大学や専門大学への転入資格、森林官補佐の資格を取得することが出来ます。そして森林官補佐として2年間の実務を経験後、国家試験に合格すると晴れて「森林官」の資格を手にすることが出来ます。。

日本のように縦割り行政で運営されることなく、教育省が学校の教育、美術、文化の面の責任を負い、農林環境水資源管理省が学校の財政面の責任を負っています。

 

卒業後の進路については、半分が「森林官」として民間の林業会社、公有林などで森林のプロとして働き、4分の1は更に勉強を続け、残りの4分の1は家業を継いだり他の仕事に就きます。

ブルック森林技術専門学校は約700haの森林も実際に管理、経営しています。またその他に様々な公開授業も行っています。

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日本でも林業現場の人材育成を目的とした林業大学校の創設が相次いでおりますが、100年以上の実績のあるブルック森林技術専門学校に学ぶところは多いのではないでしょうか?