林業集材用繊維ロープ・エースラインの使い方〜〜弊社の経験から〜〜


弊社が林業集材用繊維ロープ・エースラインをワイヤーロープの代わりに地引集材で使い始めてからそろそろ10年が経とうとしています。

 

使い始めのころは短所がわからずスウィングヤーダでキャレッジを載せて切ってしまったり、毛羽立ってくると「切れそうで怖い」と思い、使用を止めてしまったこともありました。

 

値段がワイヤーロープより高く熱に弱いというデメリットはあるものの、軽くて柔らかくて握っても素線で手を怪我する心配がないというメリットはやはり魅力があり使うだけの価値が十分あると考えています。

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ただ、誰でも使ったことのない物を使うのは不安に思って躊躇してしまうものです。実物を見て「軽くていいなあ」と言われる方は多いですが、最初の一歩を踏み出すのは勇気が要るようです。そんな方々の最初の一歩にお役に立てるように弊社での林業集材用繊維ロープ・エースラインの使用についての経験を書かせていただきたいと思います。

 

まず繊維ロープの先端から10mほどが地面等を擦って摩耗するのはどうにも致し方ないようです。繊維ロープは擦れに弱く、荷を掛けて巻き上げる際に、先端に近い部分が地面や切り株に接触するのは避けられないからです。弊社では基本的にロープが切れるまで使っています。切れるのはほとんどが先端に近い部分です。切れた時は新しい先端をアイ加工しますが、先端から数メートルが損傷が激しい場合は悪い部分を切って取り除いてから加工します。もし先端に近い部分ではなく、中間地点が切れた場合はアイ加工するのと同じ要領(ストレートタック)でロープをつなぎます。そのようにして使っていきますと、次第次第にロープは短くなります。

 

やがて求めている集材スパンよりもロープ長が短くなった時、新しい繊維ロープに巻替えます。ただしその際、古いロープは捨てずにとっておきます。ウインチ側のロープは比較的ダメージが少なく、十分使用に耐えるものだからです。そして新しいロープが再度短くなった時、取っておいた古いロープをつないで使用します。つまり2本のロープで3本分の使用が出来ます。

使用後 

次に繊維ロープの中間地点についての注意点ですが、出来る限り伐根や立木を擦らないように使用するということです。たとえば伐根に引っかかっているのがわかってテンションをかけることはしてはいけません。その状態でテンションをかけると引っかかりが外れた時にその部分が大きくダメージを受けます。まずはゆっくりと巻いて、自動的に外れないようであれば、人間が行って外してから巻くようにしています。立木の場合も同様です。擦るとその部分が毛羽立ちますし、場合によっては熱で溶けることがあります。要は、宙に浮いてる部分は極力何かに当たらないように(当てないように)、丁寧に使うことを心掛けるということです。

 

滑車については、弊社では普通のオタフク滑車を使っています。一時期はエッジを丸く加工して、ロープが触れた時の当たりを優しくしたりもしましたが、これも使い方次第で普通の滑車で大丈夫だと思います。ただし、滑車の可動域が狭いと角度によってはエッジに当たって切れるので、首振りの滑車の方がいいと思います。

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少しは参考になったでしょうか?軽くて柔らかいというメリットはまだまだ作業の負荷を軽減する工夫に役立つと弊社では考えています。例えば。。。ドローンでロープを荷掛けする人のところへ運ぶとか。。。それも位置を記憶させて自動で。。。

 

林業集材用繊維ロープ・エースラインを導入して間もないころ、「ロープが軽くなって良くなったら、今度は山の上り下りをしなくてもいいようにならないものだろうか。。。」そんな夢のようなことを言っていましたが、10年経った今はまんざら夢ではないような気がします。

 

林業集材用繊維ロープ・エースラインについてのご質問、ご注文は下記まで。

山陽商事株式会社 フォレスト・デザイン事業部

☎ 0868-26-1036 平日8:10〜17:00

 

価格

8㎜ 770円/m

10㎜ 1,000円/m

12㎜ 1,430円/m

全て税抜価格

年明けより価格を改定させていただきました。ご理解のほどをよろしくお願いいたします。

エースラインちらし